コンテンツSEOでもうこれ以上ない、からの次の一手として実施したい15のアイデア

コンテンツSEOでもうこれ以上ない、からの次の一手として実施したい15のアイデア

検索順位が上がらなければ、ユーザーは検索結果画面から自社サイトに訪れてくれません。そのため、コンテンツSEOにおいてはいかに狙ったキーワード群で上位表示を実現させるかが重要です。また、そこからいかに求めている成果を創出するのかに価値があります。

一方で様々な施策を実施した結果、ある程度のキーワードで検索上位表示を実現してしまった、これ以上成果が出ないのではとなった場合、その後どのように上位表示を維持するか、またこの先やれることはもう少ないのでは、と悩まれている企業も多いと思います。

狙ったキーワードで上位表示が実現でき、リードも増え、コンバージョンも増えてきた―― そうした状況に対して、まだまだコンテンツSEOだけでもできることは多くあります。

そこで、今回は私たちが実際に取り組んでいる、コンテンツSEOで成果が出た次の一手として取りくむべき施策アイデアをご紹介いたします。

戦略設計でやれること

まず、考え方次第ではさらなる成果最大化、そして事業成長に繋げることができると思っているのが、次の7つのアプローチです。

01. ワンツーフィニッシュ戦略を展開する

MOLTSでは “ワンツーフィニッシュ戦略” と呼んでいるのですが、あるキーワードで検索順位1位が取れたら、次は検索順位2位も自社のコンテンツが表示されるよう設計していくことで、より大きなビジネスインパクトを得られます。

検索順位1、2位を獲得できれば、そのキーワードの検索市場の半分を攻略したとも言えるでしょう。また、1、2位を取ることで、どちらかの順位が突然落ちてしまっても、どちらかが残るため、リスクヘッジにもなります

ただし、同じドメインのサイトが検索結果に並ぶことは基本的にありません。そのため、別のドメインのサイトで仕掛けていく必要があります。ドメインをどう増やすかについては、ゼロからメディアを立ち上げる方法の他にも、別メディアを買収する、他の自社サイトを活用するなどの手段を取ることも選択肢のひとつです。

過去何度か展開したことがありますが、リードの伸びは純粋に1ドメインで広げるよりも拡張性がかなりあります。ただ、コスト、リソース面で余裕がある、または延長で考えず、0から新たなチャネルを作るくらいの覚悟がなければ手を出すことはあまりお勧めしません。

お分かりのとおり、なかなか大変です。(笑)

02. ワンリードコンテンツを増やしていく

多くの企業では、リード獲得に繋がるクエリを選定して進めていくと思います。しかし、クエリの中には、月間検索ボリュームが10〜100といった検索ニーズの低い、リードも月に1件発生するかしないかレベルのクエリもあります。

コンテンツSEOでの初期フェーズでは、そうしたクエリに対応するコンテンツをつくる優先度は低いかもしれません。しかし、1リードしか発生しないコンテンツ(ワンリードコンテンツ)を100本つくれば、100リード獲得できると考えることもできるわけです。

そこで、ある程度成果が出てきたタイミングでは、細かなクエリに対応したワンリードコンテンツを増やしていくことも効果的でしょう。

03. キーワードを再選定する

あながちインパクトの大きい施策になり得るのが、キーワードの再選定です。

そのため、私の場合は、成果が出ているタイミングであっても現場メンバーに徹底的にヒアリングを行い、あらためてペルソナ設計を見直してカスタマージャーニーマップをつくり直し、狙うべきキーワードの洗い出しを行うようにしています。

そうすることで、いままで気づけていなかった新たなユーザーの態度変容に繋がる設計が見えてきたり、お宝キーワードとも言えるような、対策していないけれども大きな成果に繋がる見込みあるキーワードを発見できたりします。

なお、キーワードの再選定では、「言い換え」「絞り込み」も重要です。たとえば「りんご」というキーワードに対しては、「青森県産のりんご」と絞り込んだり、「赤くて丸い果物」と言い換えるといった具合です。そうすることで、キーワードの幅を広げることができます。

実際に過去にクライアントのコンテンツSEOを支援させていただいたときには、キーワードの再選定を実施したことで、月間500リード以上で高止まりしていた状態から、リード数が3ヶ月で倍へと成長させることができました。

04. コンバージョンコンテンツを変更する

コンバージョン獲得のために、購買を生み出すカートや商談につなげるフォームを用意するケースは多いでしょう。しかし、カートから料金シミュレーションへ変えてみたり、お問い合わせフォームからホワイトペーパーのDLに変えてみたり、ダイレクトに売上につながりやすいコンバージョンが発生しづらいキーワードを見定め、コンバージョンコンテンツを変えていくことも、獲得リード数を増やしていく施策として有効です。

ただし、購買や商談などは発生しづらくなるため、体制や設計の変更は必須です。ただし、それができれば、新しい可能性が見えてきます。

注意すべき点は、お問い合わせとホワイトペーパー、購買と料金シミュレーションなど、コンバージョンした際のユーザーの「態度の違い」によっても集計方法を明確に分けることです。まったく違うアプローチが必要になり、その後の成果も大きく変わります。同一の成果として捉えないことが大切です。

05. 他社メディアとのバーター施策の展開

コンテンツSEOで制作していくコンテンツは大きく分けると、自社の成果のみに繋がるコンテンツと、他社の成果にも繋げることができるコンテンツに分けられます

たとえばMOLTSではMAツールの開発・提供を行っていないため、MOLTSおすすめのMAツールを紹介するようなコンテンツは、MAツールを提供する事業者の成果に繋げることができるコンテンツです。

そして、もしそのコンテンツが検索上位コンテンツの場合であれば、コンテンツ内で紹介しているMAツール事業者にコンタクトを取り、お互いのコンテンツで紹介し合うなど、「バーターで取り組みをしませんか?」といった相談がしやすくなります。

検索上位コンテンツに自社のリンクを設置してもらえることは魅力的なことですから、バーターでの取り組みを承諾してくれる可能性は高いですし、こちらとしても新たなリード獲得のためのチャネルづくりに繋がります。自社だけで完結させようとする必要はないのです。

もちろん、バーターだからといって適切に評価をしない、故意にPRをするなど、ユーザーのためにならないことは避けてください。

06. 別商材・別事業のリード獲得へと横展開する

展開する事業内容やメディアの方向性にもよりますが、コンテンツSEOによってリード獲得にある程度成果を得られたのであれば、メディアの持つポテンシャルを活かして、他の商材や他事業のリード獲得へと横展開することも効果的です。

実際に過去に支援させていただいたクライアントでは、もともと1事業のオウンドメディアとしてスタートしましたが、現在は10事業部以上の商材を取り扱うメディアへと成長するなど、事業成長の柱となるメディアとなっているケースがあります。

商材や事業ごとにオウンドメディアを立ち上げるという選択肢だけでなく、ひとつのメディアで複数の商材や事業へと横展開していくというのも非常に有効な選択肢のひとつです。

07. 追加予算を獲得するためのアプローチを取る

もし使える予算がいまの2倍、3倍になったら……そう考えていくと、これまで思いつかなかったり、予算の都合で検討していなかった施策アイデアが生まれてくるはず。何故なら目の前のプロジェクトに必死で「今現状の予算やリソースで施策を考えてしまっている」ケースが多いからです。

なので、まず頭の枷を外すために、予算を2倍、3倍や、リソースを2倍、3倍で考えた時に何ができるかを考えます。そして取り組みたいアイデアが見えたら、いかに予算やリソースを増やしていくかを考え、行動して、現実の事柄に変えましょう。

予算を増やすためには、大きく3パターンあります。

まずこれまでの成果をしっかりとアピールして、投資すればより意味があることを伝え、自部門の予算を増やしてもらうよう社内調整を行っていくこと。

次に他部門を巻き込むことで、財布を増やし、実質的に使える予算を増やすこと。

そして、もうひとつはバナー広告や記事広告など、自走するオウンドメディアを目指してマネタイズを行うことです。(自社のマーケティング活動としてのオウンドメディアを、マネタイズして自走させ、稼ぐマーケティングメディアを元々作ってたところからキャリアを始めているので得意領域です)

追加予算は「会社の方針」や「上司の考え」に依存すると考える方が多いですが、そんな脳味噌は捨てて、自ら獲得のために動きましょう。

SERPs改善でやれること

検索順位1位で満足するだけでなく、さらなる成果獲得に繋げていくために重要なのが、次のSERPs(検索エンジンの検索結果画面)の改善です。

08. タイトル変更でCTRを改善していく

検索順位1位と2位、そして3位では、それぞれSERPs上でのクリック率(CTR)は異なります。当然ながら検索順位1位のコンテンツが(大抵の場合)最もCTRは高くなるわけですが、タイトルを調整していくことで、より高いCTRを実現できます。

また、すでに検索順位1位を獲得している場合でも、タイトルを改善していくことでCTRがさらに2%、3%上がるということはざらにありました。

もちろん、タイトルを変えることでCTRが逆に下がってしまうこともあるでしょうし、検索順位が下がってしまう可能性もあります。ただし、何もしなければSEO上の競合他社にすぐさま検索順位1位の座を奪われてしまいかねません。

しかし、1位表示のコンテンツでさらにCTRを上げることができれば、ビジネスインパクトは非常に大きいものとなりますから、検索順位1位で満足せずに、その先のCTR改善は確実に行うべき施策だと考えています。

コンテンツ改善でやれること

すでにコンテンツSEOで成果を出せている場合は、これまでにも既存コンテンツのリライトであったり、様々なコンテンツでPDCAを回されていることでしょう。その上で、MOLTSが取り組んでいるコンテンツ改善施策が以下になります。

9. 数と質を追求した事例コンテンツの作成と掲載

どれだけ自社サービスのことを丁寧に伝えているつもりでも、ユーザーからするとまだまだわからないことだらけということは往々にしてありますから、そうしたユーザーの疑問を解決していくためにも、MOLTSでは数と質を追求した事例コンテンツの制作に取り組んでいます。

そして闇雲に事例コンテンツを制作していくだけでなく、リードを分析してどの業界、どの業種、どういったポジションの人向けの事例コンテンツが足りていないかを把握し、よりリード獲得に繋がる事例コンテンツを制作していくことが重要です。

その上で忘れてはならないのが、コンテンツSEOとワンセットでそのテーマに沿った事例コンテンツの掲載をすることです。検索上位表示のコンテンツは多くの来訪者を獲得できるからこそ、そのコンテンツに沿った事例コンテンツを載せることでユーザーの態度変容を促し、その先のリードやお問い合わせ獲得に繋がりやすくなるでしょう。(もちろんCTAや置き方は大事)

実際にMOLTSでも検索上位のナレッジコンテンツから事例コンテンツへ遷移し、コンバージョンに繋がっているケースは多く発生しています。また既存の事例コンテンツにおいても、文脈が合うものであれば、すでに検索上位表示されている別コンテンツにリンクを設置するのも良いでしょう。

10. 監修者情報を徹底する

SEOテクニックとして監修者情報をコンテンツに設置するということを行っている企業もいらっしゃると思います。ただ、テクニック不要、ユーザーファーストを大切にする私にとっては、監修者情報はSEOのためでなく、ユーザーのために設置すべきだと考えています。

たとえばデジタルマーケティング関連の記事であっても、その記事を監修した人はその道のプロなのかどうかで、記事に対するユーザーの信頼度は変わってくるでしょう。有象無象に記事コンテンツがあるからこそ、ユーザーは「どの情報が本当に正しいのか」という疑問を常に抱えています。

そこで記事コンテンツに信頼性・権威性を持たせ、ユーザーに安心してもらうためにも、監修者情報をコンテンツに設置することが大切だと考えています。結果、検索順位が上がり、CVRは上がるケースが多いです。

11. コンテンツごとにCTAを最適化していく

検索順位1位を獲得でき、多くのトラフィックを集めることができたとしても、CTAが最適化されていなければ、期待しているコンバージョンは発生しません。しかし、CTAがワンパターンになっているケースは多く見受けられます。

そこで、検索クエリごとにユーザーがどういった状態なのか、どういった態度変容が求められるのかをしっかりと設計し、それにあわせてCTAを最適化していくことが大切です。

なお、CTAのリンクボタンのテキストをA/Bテストしたり、フォームを設置している場合はEFOに取り組むことももちろん大切です。ただそれだけでなく、「文脈に沿ったCTAになっているか」という観点でもCTAのコミュニケーションの最適化を図っていくべきだと考えています。

たとえば「働き方改革とは」で検索すると、株式会社ベネフィット・ワンが運営する『ボーグル』というメディアのコンテンツが上位に表示されています。そして記事の末尾まで行くと、そこには下記のようなCTAが設置されています。

ご覧の通り、ただ「資料をダウンロードする」といったリンクボタンが設置されているだけでなく、テンプレート的な内容でもないコミュニケーションがCTAで書かれています。

これは「働き方改革とは」で流入し読了したユーザーの状態は読了後、「働き方改革が何かわかった。じゃあ次何をすればいいのだろうか?」となると仮定し、CTAのコミュニケーションが設計されていると見えます。

【キーワード】ユーザーが知りたい情報→【記事】情報の理解→【CTA】ネクストアクションの可視化→【CTA文言】解決策の提示

とても綺麗な流れです。

流入するキーワードごとに、また、冒頭のCTA、文末のCTAと設置場所ごとに、ユーザーの状態や思考は変化します。行動喚起するコミュニケーションは、全コンテンツ、設置場所で違うわけです。

そういったCTAを統一させるのでなく、一記事ずつフルカスタマイズして、コミュニケーションを調整していく。当たり前ですが、コンテンツごとに展開することで成果は自然と増えていきます。

12. デバイスごとにCTAを最適化していく

以前にあるメディアでCTAのABテストを1ヶ月間行ったのですが、その結果PCではテキスト形式のCTAの反応が良く、モバイルではバナー形式のCTAが反応が良いという結果が得られました。あくまで、あるメディアの例です。

業態や業種にもよりますが、このようにデバイスによっても最適なCTAは異なってくるため、コンテンツごとのCTA最適化とあわせてデバイスごとの最適化にも取り組むべきでしょう。

また、CTA最適化の観点では、EFO(エントリーフォーム最適化)も重要です。当然ながらPCとスマホでは入力方法が異なります。せっかくお問い合わせフォームまでたどり着いていたとしても、スマホで操作しづらいフォームになっていたり、細かな入力を求めるようなフォーム項目になっていたりすると、フォームでの離脱が発生してしまいますので、注意が必要です。

13. 追従エリアをフルカスタマイズしていく

続いて多くの企業が見落としがちなのが、追従エリアのカスタマイズです。サイト全体で追従エリアを共通化しているケースはよく見受けられますが、成果最大化を狙うのであれば、追従エリアもフルカスタマイズしていくべきだと考えています。

特に高いパフォーマンスが狙えそうであれば、個別記事ごとに追従エリアをカスタマイズしていくことは効果的な施策です。

また、フルカスタマイズできないにしても、カテゴリーページ別でカスタマイズしたり、追従エリアに表示させる内容をクリックさせるものから直接フォームに変えてみたりと、改善していくことで大切です。

14. CTA枠以外の導線設計を見直す

コンテンツ内のコンバージョンポイントは、CTA枠だけとは限りません。大切なのはコンバージョンポイントの面を増やすという考え方で、文中に設置しているテキストリンクも大いにコンバージョンポイントになり得るのです。

たとえばLPから事例コンテンツに遷移して、事例コンテンツの文中のテキストリンクからコンバージョンする、といったケースは往々にして起こりえます。

そのため、CTAの改善に加えて、文中のテキストを見直し、テキストリンクにしてコンバージョンページへの動線を増やすなど、コンテンツ内の動線設計を見直していくようにしています。

15. レビューを収集・掲載していく

第三者の口コミや評価というのは、比較検討ユーザーにとっては重要な意思決定の材料になります。そして第三者の評価を見せるコンテンツとしては事例コンテンツが挙げられますが、事例コンテンツを増やしていこうとすると、取材&執筆に多くのリソースを要します。

一方で、レビューであれば取引のあるクライアントに「150文字程度でコメントをもらえませんか?」と連絡するだけで収集できます。過去に行った施策では、サービス紹介の下にレビューを掲載することで、CTAのCTRが3倍以上にまで伸びたケースもありました。

なお、信頼性あるレビューにするためには、匿名ではなく、実名で書いていただくことがポイントです。ぜひ、みなさんもレビューを収集して自社コンテンツ内に掲載してみてください。

おわりに

ある程度コンテンツSEOで成果が出てきたと思っていたとしても、やれることはたくさんありますし、これ以上はないと自身で天井を決めてしまうことは非常に危険です。また、本記事でご紹介している以外にもやれることはまだまだあり、今回は私たちが取り組んできた中でもスタンダードな施策をご紹介しました。

市場は常に変化し続けています。検索順位1位を獲得できたとしても、その裏では検索上の競合他社が検索順位1位を取るために様々なアプローチを行っているのです。

そのため、コンテンツSEOで大切なのは常に「もっとできることはあるのでは」と模索してアクションし続けることだと思っています。

今回ご紹介した施策アイデアが、みなさんの今後のメディア運用の参考になれば幸いです。

コンテンツSEOでお悩みの方へ

コンテンツSEOは、考え方次第ではさらなる成果の最大化、そして事業成長に繋げることができます。もしも現在、既存の施策について伸び悩みを感じているのであれば私たちMOLTSへご相談ください。

コンテンツSEO領域で様々な実績を出してきたプロフェッショナルが、貴社に最適なプランをご提案させていただきます。

著者情報

TAISHI TERAKURA

寺倉 大史

Media Consultant / Business Producer

業界歴9年以上。事業開発、オウンドメディア、コンテンツマーケティングを担当。藍染職人、株式会社LIGを経て、メディアコンサルタントへ。

担当領域の
サービス

  • コミュニケーションプランニング
  • BtoBマーケティング
  • コンテンツマーケティング
  • オウンドメディア
  • SEO
  • アクセス解析
  • WEBサイト制作

記事をシェア

  1. THE MOLTS
  2. メディア記事
  3. コンテンツSEOでもうこれ以上ない、からの次の一手として実施したい15のアイデア