GTM(Googleタグマネージャー)とは?設定・導入・連携方法を解説
この記事でわかること
- GTMとはどのようなツールで、具体的に何ができるのか
- GTM導入時に必ず確認すべき注意点やその危険性
- GTMを導入して、各ツールのタグを設置する方法
GTM(Googleタグマネージャー)とは、Webサイトで利用するツールの「タグ」を、一元管理するためのものです。GoogleアナリティクスやWeb広告などを利用する際に埋め込む「タグ」を、GTMを通して設置・管理・削除することができるため、様々なメリットがあります。
しかし、
- 「GTMで具体的に何ができるのか分からない」
- 「GTMの設定や運用自体が難しそうに見える」
- 「既にGTM無しでツールを利用している」
などの理由で、本当に導入すべきか悩んでいる企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、Webマーケティングを行う企業であれば、基本的にはGTMを利用した方がよいと言えます。
本記事では、GTMのメリットや活用方法をわかりやすく解説し、必要な企業はすぐにでも導入ができるよう、設定手順を説明していきます。
導入前に必ず確認するべき注意点についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
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▼担当者のプロフィールや実績
西 正広
GTM(Googleタグマネージャー)とは?

GTM(Googleタグマネージャー)とは、Webサイトで利用するツールや広告の「タグ」を管理するためのツールです。
例えばGoogleアナリティクスやWeb広告などを利用する際は、データを収集するためのタグをWebサイトに埋め込みます。本来であればWebサイトのHTMLを編集し、タグを貼り付けなければいけません。しかし毎回WebサイトのHTMLを編集するのは、コストがかかる上に、タグの管理が煩雑になります。
「使っていないタグがそのままになっている」「設定が不十分なタグが設置されている」など、Webサイトが不健全な状態になってしまいかねません。
そこでGTMを利用すれば、HTMLの編集をせずとも、GTMの管理画面(クラウド)から簡単にタグを管理できるようになるのです。
【GTMの仕組み】

タグマネジメントツールには様々なものがありますが、GTMはその中でも利用者が多く、Google系のサービス(GoogleアナリティクスやGoogle広告など)と親和性が高いため、おすすめできるツールだと言えます。
参考:サポートされているタグ – タグ マネージャー ヘルプ
なおGTMで管理ができるのはあくまで「タグ」のみです。ツールそのものの利用は、GTMを使っていない時と同様に、各ツールの管理画面で行います。例えばGoogleアナリティクスのタグ設置はGTMで行えますが、Googleアナリティクス自体の設定やデータ閲覧などはGTMで行えません。
Googleアナリティクスとの違い
Googleアナリティクスは、サイトに訪れたユーザー行動を数値データで可視化するツールです。GTMがさまざまな分析ツールのトラッキングタグを管理するものであるのに対し、Googleアナリティクスは対象サイトにトラッキングタグを設置してアクセスデータを収集・管理します。
つまり、GTMは複数の分析ツールを用いてサイト分析を行う場合に、煩雑になってしまうタグ管理を容易にするツールで、Googleアナリティクスの代わりになるようなツールではありません。
Googleアナリティクスを使ってアクセス解析を行う場合は、別途Googleアナリティクス上で設定を行う必要があります。
GTM(Googleタグマネージャー)の基礎知識
今後GTMを使用するに当たって、改めてGTMの基礎知識や専門用語などを確認しておきましょう。
GTMの専門用語 | 意味や使い方 |
---|---|
アカウント | GTMを利用するための一番大枠のグループのことを指します。Googleアナリティクスやその他のツールなどを利用する際の「アカウント」と同じ概念だと考えると分かりやすいでしょう。 |
コンテナ | 1つのWebサイトのタグを管理するグループのことを指します。一般的には1つのコンテナに1つのWebサイトを設定し、紐づけを行います。Googleアナリティクスの「プロパティ」と同じ階層の概念だと考えると分かりやすいでしょう。 |
ワークスペース | 「コンテナ内の作業場所」のようなイメージで、編集中の内容などが表示されるページです。同時に異なる設定をGTM上で行う場合には、別々のワークスペースで作業を行うと効率的です。 |
タグ | ツールを利用する際に埋め込まなければいけない「タグ」のことです。タグを設置・削除・カスタマイズするためにGTMを利用します。 |
トリガー | タグを機能(発火)させるための条件のことを指します。タグとセットで設定することで、計測が行えるようになります。 |
変数 | タグやトリガーに供給するデータのことを指します。例えば「ボタンのクリック計測」のような複雑なタグ設定が必要な場合に、変数を使用します。 |
バージョン | 「コンテナ内の設定履歴」です。過去の設定内容が確認できるほか、何らかの不具合が生じた場合に、過去のバージョンに切り戻すことができます。 |
GTM(Googleタグマネージャー)のメリットや解決できる問題

GTMを利用するメリットを、もう少し詳しく見ていきましょう。
- タグの設置・削除などにかかるコストを削減できる
- タグのカスタマイズが初心者でも比較的簡単に行えるようになる
- タグの設置を外部に委託しやすくなる
- 公開前のプレビュー確認やバージョン管理によって、不具合対策ができる
- Webサイトの表示速度に良い影響が出やすい
GTMのメリット①:タグの設置・削除などにかかるコストを削減できる
今までお話ししてきた通り、ツールの設定や削除などが簡単になります。
例えば以下のようなツール・サービスのタグを導入する際に、GTMが利用されます。
- 各種アクセス解析ツール(Googleアナリティクスなど)
- 各種Web広告(リスティング広告、Facebook広告など)
- ヒートマップ
- A/Bテストツール
- EFOツール
- Web接客ツール
- チャットボット
- MAツール など
GTMを使用しない場合は、これらのツールのタグを設置したり削除したりするたびに、HTMLを編集する必要があります。
特にWeb広告の計測タグやMAツールのタグは、Webサイトの全てのページに設置しなければいけないことがあり、作業に時間や費用がかかってしまいます。しかし一度GTMを全ページに設置しておけば、その後はGTMを通して、一括で設置することができるのです。
またよくあるケースとして「検討中のツールを、トライアルで一時的に利用したい」という場合にも、GTMを利用すればコストをかけずに設置できるので非常に便利です。
このように早い段階からGTMを導入すれば、その後ツールの設置にかかる費用や工数を大きく削減できます。
GTMのメリット②:タグのカスタマイズが初心者でも比較的簡単に行えるようになる
タグの設置や削除だけではなく、カスタマイズもGTMから簡単に行えるようになります。
例えば以下のような場合には、Googleアナリティクスのタグをカスタマイズしなければならず、複雑な設定が必要です。
- 電話ボタンのクリックを計測したい
- ページを30秒以上見ているユーザーにイベントを送信したい
- ページに埋め込んだ動画のアクセス計測をしたい
- ページのスクロール計測をしたい(到達率を計測したい)
通常は難易度の高い作業となりますが、GTMを利用していれば、GTMの管理画面から比較的容易に設定ができるようになります。
GTMのメリット③:タグの設置を外部に委託しやすくなる
例えばリスティング広告の運用を広告代理店に依頼する場合、代理店からタグを発行してもらうのが一般的です。その際GTMが導入されていない企業は、タグの設置を自社で行うか、Webサイトを管理している制作会社に依頼することになります。
しかしGTMが導入されていれば、GTMの権限を広告代理店に付与して、そのままタグの設置まで依頼できます。自社で不慣れな設定を行う必要もなく、制作会社とのやり取りなども発生しないので、コストをかけずにタグの設置が行えるでしょう。
またタグ設置の工数が少なく済むというだけではなく、WebサイトのHTMLファイルなど重要な部分へのアクセス権を渡さなくて済むため、セキュリティ的にもメリットがあります。
ただしこの権限付与に関しては、数少ないGTM利用時の注意点にも関連するので、利用を考えている方は、後述の「GTMを導入する前に必ず確認すべき2つの注意点」も参考にしてみてください。
GTMのメリット④:公開前のプレビュー確認やバージョン管理によって、不具合対策ができる
GTMではタグを設定した後、プレビューモードでタグが正常に機能しているか(発火しているか)を確認できます。エラーが起こらないかを、事前にチェックしてから公開ができるのです。

また万が一エラーが起きてしまった場合、即座に以前のバージョン(履歴)を復元することができます。そのためHTMLを直接編集することに比べてリスクが低く、安心してタグの設置が行えます。
GTMのメリット⑤:Webサイトの表示速度に良い影響が出やすい
「GTMを導入せずに複数のタグを設置した場合」と「GTMを利用して複数のタグを設置した場合」を比べると、後者の方がWebサイトの表示速度に良い影響が出やすいというメリットがあります。
その理由は、GTMを利用している場合とそうでない場合では、タグの読み込み方法が異なるからです。
通常 | タグを1つずつ順番に読み込む(同期処理) |
GTMを利用 | GTMで設置した全てのタグを同時に読み込む(非同期処理) |
多くのタグを設置する場合に影響が大きくなりやすいので、複数のツールを利用する場合にこの恩恵を受けやすいと言えます。
GTM(Googleタグマネージャー)の設定方法!導入手順を解説

それではGTMを導入するための手順を解説していきます。まずは上記図の通り、WebサイトとGTMの紐づけを行っていきます。
- Googleタグマネージャー(GTM)の公式サイトにアクセスする
- アカウントを作成する(企業の基本情報を入力)
- コンテナを作成する(Webサイトの基本情報を入力)
- GTMのコードをWebサイトに埋め込む
本記事をご覧の方の中には、「全てのデータを残しておくべきなのか、部分的に残すべきかが分からない」とお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これからご紹介する「UAの計測終了!今のうちにバックアップすべき過去データの選び方」では、アクセス解析領域で様々な成果を出してきたアナリストが、UAからGA4に引き継ぐ上でバックアップすべきデータについて解説しています。ぜひご一読ください。
導入手順①:Googleタグマネージャー(GTM)のホーム画面にアクセスする
まずはGTMを利用するGoogleアカウントにログインし、Googleタグマネージャー(GTM)の公式サイトにアクセスしましょう。
「無料で利用する」をクリックします。
導入手順②:アカウント(企業の基本情報)とコンテナ(Webサイトの基本情報)を作成
このような画面が表示されるので、「アカウントを作成」をクリックします。

※アカウントをまだ1つも作成していない場合は、表示が少し異なる可能性があります。
ここから「アカウントの設定」「コンテナの設定」というものを行います。

アカウントとは | コンテナとは |
---|---|
GTMを利用するための一番大枠のグループのことを指します。 Googleアナリティクスやその他のツールなどを利用する際の「アカウント」と同じ概念だと考えると分かりやすいでしょう。 設定では、企業情報を入力していきます。 | 1つのWebサイトを管理するグループのことを指します。 1つのコンテナに1つのWebサイトを設定し、紐づけを行います。Googleアナリティクスの「プロパティ」と同じ階層の概念だと考えると分かりやすいでしょう。 設定では、Webサイトの情報を入力していきます。 |
以下の通りに入力していきましょう。


なお今後アカウント内に別のWebサイトを追加したい場合は、以下の通りに「コンテナを作成」をクリックします。

導入手順④:GTMのコードをWebサイトに設置する
アカウントとコンテナを作成すると、以下の画面が表示されます。

画面の指示に従って、GTMのコードをWebサイトの全てのページに設置しましょう。この作業を行えば、WebサイトとGTMの紐づけができます。
WordPressを利用している場合は、上記のコードをheader.phpに記述するか、プラグインを利用することで全ページへの貼り付けが簡単に行えます。順番に解説していくので、お好きな方を参考にしてみてください。
④-1:header.phpに記述する方法

FTPソフトを使うか、WordPressから直接テーマの編集を行います。
WordPressから編集を行う場合は、管理画面のサイドバーから「外観」→「テーマエディター」→「header.php」と進みましょう。
先ほどのGTMの画面に従って貼り付ければ、作業は完了です。
なおGTMのコードが表示されているページを閉じてしまった場合は、先ほど作成したコンテナにアクセスして、以下の赤枠部分をクリックすれば再度表示されます。
この「GTM-」から始まる7桁の英数字がコンテナIDです。

④-2:プラグインを使う方法
プラグインにはいくつか種類がありますが、「Site Kit by Google」というGoogleの公式プラグインを使用するのがおすすめです。
プラグインをインストールして有効化したら、プラグインの設定ボタンを押し、セットアップを行いましょう。
まずはGTMで利用しているのと同じGoogleアカウントにログインします。

※この時、Googleアナリティクスとの連携は行わないでおきましょう。Site KitとGTMの両方でGoogleアナリティクスを設置すると、二重計測になってしまいます。
ログインできたら、画面の指示に従って設定を行いましょう。Googleサーチコンソールの所有権確認を求められますが、確認済みの場合はそのまま次へ進めます。
以下の画面まで進めれば、セットアップ完了です。

次に本題の、GTMのコードを設置する作業を行います。サイドバーの「Site Kit」から「設定」→「ほかのサービスに接続」→「タグマネージャー」と選択しましょう。

表示された画面で、先ほど設定した「アカウント」と「コンテナ」を入力すれば、GTMの設置作業は完了です。

アナリティクスの設定は後ほどGTMを通して行うので、ここでは設定しません。
なお以下の画面に「Googleアナリティクス」が表示されている場合は、二重計測になってしまうので削除しておきましょう。

GTMと各種ツールの連携手順!Googleアナリティクスのタグを設置してみよう

ここまでの作業でWebサイトとGTMの紐づけが完了したので、次はGTMで各ツールのタグ設置を行っていきます。ここでは一例として、最も使用されるであろうGoogleアナリティクス(GA4)と連携する方法を解説します。
- Googleアナリティクスを設置するコンテナにアクセスする
- タグの設定をする
- トリガーの設定をする
- タグの発火をプレビュー確認する
- タグを公開する
本記事をご覧の方の中には、「全てのデータを残しておくべきなのか、部分的に残すべきかが分からない」とお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これからご紹介する「UAの計測終了!今のうちにバックアップすべき過去データの選び方」では、アクセス解析領域で様々な成果を出してきたアナリストが、UAからGA4に引き継ぐ上でバックアップすべきデータについて解説しています。ぜひご一読ください。
連携手順①:Googleアナリティクスを設置するコンテナにアクセスする
先ほど作成したコンテナにアクセスすると、以下のような画面が表示されます。「新しいタグ」をクリックしましょう。

連携手順②:タグの設定をする
GTMで設置するタグの設定を行います。
タグとは |
---|
ツールを利用する際に埋め込まなければいけない「タグ」をのことです。 |
以下の通り、任意の名前を付けて、「タグの設定」エリアをクリックしましょう。

すると、どのタグを設置するのかを選択する画面が出てくるので、今回は「GA4」を選びます。

※その他のツールを設置するときも、ここから該当するものを選びます。
GA4の測定IDを入力して、保存を押せば、タグの設定は完了です。

GA4の測定IDの確認方法 |
---|
GA4の測定IDは、GA4の「設定」→「データストリーム」→「該当のデータストリームをクリック」で、以下の画面から確認できます。「G-」から始まる英数字です。 |

ユニバーサルアナリティクスを連携させる場合のタグ設定
なおユニバーサルアナリティクスの場合も、基本的には上記の手順と同様です。ただしタグの設定がやや複雑なので、以下を参考にしてみてください(GA4を設定する場合は飛ばして、連携手順3を行いましょう)。
タグの設定画面で、以下のように入力します。

「変数」の設定を行う画面が表示されるので、そこでユニバーサルアナリティクスの「トラッキング ID」を入力しましょう。

トラッキングIDは、ユニバーサルアナリティクスの左下にある「管理(歯車マーク)」→「トラッキング情報」→「トラッキングコード」から確認できます。「UA-」から始まるコードです。
連携手順③:トリガーの設定をする
タグの設定ができたら、次はトリガーの設定を行います。
トリガーとは |
---|
タグを機能(発火)させるための条件のことを指します。タグとセットで設定することで、計測が行えるようになります。 |

以下の画像の通り「All Page」を選択しましょう。

これによって、「ページビューが行われたらGA4のタグが機能(発火)する」という条件を設定することができました。
最後に右上の「保存」を押しましょう。

連携手順④:タグの発火を設置確認する
ここまでの作業で、タグとトリガーの設定を行いました。GTMではこれらの設定が終わった後に「公開」を押さなければ、計測がスタートしません。

しかしタグを公開する前に、これまで設定した内容が正しく反映され、計測が正常に行えるかどうかをテストしてみましょう。
まずは「公開」の隣にある「プレビュー」を押します。すると以下のような画面が表示されるので、赤枠の部分にWebサイトのURLを入力しましょう。

今入力したWebページが別ウィンドウで開きますが、その画面は閉じてGTMのプレビューに戻ります。
プレビュー画面が以下のように表示されていれば、テスト完了です。

Tag Fired(赤枠) | タグが発火していることを意味する |
Tag Not Fired(青枠) | タグが発火していないことを意味する |
もしTag Not Fired(青枠)のエリアに、Googleアナリティクスのタグが表示されていた場合は正常に発火できていません。これまでの設定を再度見直してみてください。
連携手順⑤:タグを公開する
プレビューが完了したら、タグを公開します。画面右上から「公開」ボタンを押しましょう。

すると以下のような画面が表示されます。「バージョン」の名前や説明を入力し、「公開」を押しましょう。

バージョンとは |
---|
「コンテナ内の設定履歴」のことです。何らかの不具合が生じた場合に、過去のバージョンに切り戻すことができます。 |
バージョン(公開履歴)に名前や説明を付けておくと、後に「過去の公開履歴を参照して前の設定を復元したい」という時に、該当するバージョンをスムーズに見つけられます。そのため公開時は、必ずバージョンの名前と、行った作業内容をメモしておくようにしましょう。
公開後は、念のためWebサイトに実際にアクセスしてみて、本当に計測されているかをリアルタイムレポートで確認しておくのがおすすめです。
なお今回はGoogleアナリティクスのタグをGTMに設置しましたが、その他のツールも同様にGTMへ集約させて管理するようにしましょう。
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▼担当者のプロフィールや実績:西 正広
GTMを導入する前に必ず確認すべき2つの注意点

GTMを新規に導入したいと考えている企業に、必ず確認していただきたい2つの注意点を解説していきます。
- 後からGTMに切り替えをする場合は、二重計測やデータの欠損が起こることがある
- 権限設定を慎重に考えなければ、トラブルになる可能性がある
GTMの注意点①:後からGTMに切り替えをする場合は、データの二重計測や欠損が起こることがある
「既にツールを利用しており、これからタグの管理をGTMに切り替えたい」という場合に、必ず注意していただきたい内容です。
例えばGTMを導入して既に利用しているGoogleアナリティクスのタグをGTMに移行したい場合は、GTMでタグの設置を行うと同時に、既にWebサイトに埋め込まれているタグを削除しなければいけません。タグをWebサイトから削除しないと、Googleアナリティクスのデータが二重に計測されてしまうからです。

しかし一方で、WebサイトのHTMLを削除する→GTMでタグを設置するという順番で行うと、今度はデータが一切計測されていない空白期間が発生してしまう可能性があります。Googleアナリティクスはタグを設置したあと、少し時間が経たないと計測がスタートしないからです。

まとめると、GTMへの切り替え時は以下の2点に注意しなければいけません。
注意点 | 問題 | 原因 |
---|---|---|
二重計測 | ツールに計測される数値が通常の2倍になってしまう | ツールとGTMの両方のタグが埋め込まれている |
欠損 | データを一切計測できない空白期間が発生してしまう | ツールのタグを外した後に、GTMのタグを埋め込む(GTMで計測が開始されるまでの期間が欠損してしまう) |
タグが同時に埋め込まれている状態を避けつつ、欠損が出ないように移行を済ませるには、以下のような対策が必要です。
- テスト環境を用意して、正しく移行が行えることを確認してから実行する
- ユーザーのアクセスがない日時に移行を行う
テスト環境を用意できる企業は、まずタグの移行をテストしてみて、正常に計測できることを確認してから、丸ごと入れ替える方法がおすすめです。
また企業によっては、Webサイトへのアクセスがほとんどなくなるタイミングを狙って移行を行うのもよいでしょう。例えばBtoB企業の場合は、土日や祝日になるとWebサイトへのアクセスがほとんどなくなることがあります。このタイミングで移行を行えば、仮に二重計測や欠損が一時的に発生したとしても、大きな問題にはなりません。
GTMの注意点②:権限設定を慎重に考えなければ、トラブルになる可能性がある
切り替えをする企業だけではなく、GTMを利用する全ての企業に注意していただきたいことが、GTMの権限設定の危険性についてです。
「GTMのメリット③」でもお伝えした通り、GTMでは権限を渡すことで、社外の方にタグの設置やカスタマイズを依頼することができます。この時、権限設定を慎重に考えないと、知らない間に何かのタグを埋め込まれたり、重要なタグを削除されてしまったりする危険性があるので注意が必要です。
前提としてGTMでは、以下のように外部のユーザーに権限を与えることができます。
権限 | できること | |||
---|---|---|---|---|
閲覧 | 作成や編集 | バージョンの変更 | 公開 | |
読み取り | ○ | × | × | × |
編集 | ○ | ○ | × | × |
承認 | ○ | ○ | ○ | × |
公開 | ○ | ○ | ○ | ○ |
自社の担当者がツール利用に関する知識をあまり持っておらず、外部に設定を依頼したい場合は、最高レベルである「公開」の権限を与えた方が、コストをかけずスピーディに作業を進められます。
しかし「公開」の権限を持っているユーザーはタグの編集や設置に関するあらゆることが許可されるので、場合によってはトラブルに繋がる可能性もあります。
そのためコストとリスクのバランスを考え、本当に信頼できる相手でない限りは、無闇に権限を与えない方がよいでしょう。権限付与を行う前に、一度立ち止まって考えてみてください。
GTM(Googleタグマネージャー)は全ての企業が導入すべきツールなのか?

ここまでGTMのメリットを解説してきましたが、「GTMを導入することで逆に不都合が生じることはないのか」「自社でも今すぐ利用するべきなのか」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、一部のケースを除いて、GTMを導入することに大きなデメリットは存在しないと考えて問題ありません。基本的には多くの企業にとって利用するのが望ましいと言えます。
そしてGTMを利用するのであれば、なるべく早いうちから設置するのがおすすめです。既にたくさんのタグがWebサイトに貼られている状態でGTMを後から導入すると、WebサイトからGTMへの貼り替え作業が大変になってしまうからです。
しかし「今すぐ」GTMを設置しなければいけないわけではない
GTMは基本的に全ての企業に推奨できるツールではありますが、「今すぐ」設置すべきかと聞かれると、必ずしもそうではありません。
例えば現在Googleアナリティクスしか使っておらず、この先他のツールを利用する予定もないという場合は、GTMを導入しなくても管理のしやすさはほとんど変わりません。
GTMからの設定はGoogleアナリティクスの管理画面から設定するより複雑になるため、「Googleアナリティクス以外のタグを設置しない」「計測したいものが少ない」といった場合は、GTMを利用するメリットはそこまで多くありません。むしろ設定した人にしか分からないことが後に出てきてしまい、ツールの利用が属人化してしまう恐れがあります。
そのため、お伝えしたGTMのメリットがそこまで重要ではないと感じる場合は、Googleアナリティクスの管理画面を利用する方が良いでしょう。
導入をするべきは、複数のマーケティングツールを利用している企業
結局どのような企業がGTMを導入するべきか、ですが、弊社では「複数の分析ツールを利用している企業」にGTMの導入を推奨しています。
Webサイトの運営では効果検証をしてPDCAを繰り返し実施しますが、ひとつのツールだけを利用するのでは十分なサイト分析は行えません。
Googlアナリティクスはもちろん、ヒートマップ、A/Bテストツール、EFOツール、広告計測タグやMA・サイト接客など複数のツールからユーザーデータを読み解く必要があるでしょう。GTMを利用すれば、これらのツール上で複数の計測タグを設置したり削除したりする際も、時間をかけずに簡単に編集できるようになり、分析にかかる工数が削減されます。
まとめ|GTMを使いこなして、タグ管理のコストや工数を削減しよう
本記事ではGTMの仕組みや使い方をわかりやすく解説してきました。
GTMは最初の設定に少し手間がかかるものの、一度導入すれば長い目で見て、各ツールやWeb広告のタグ設置にかかるコストを削減できます。基本的には全ての企業にとって、おすすめできるツールだと言えます。
導入する際は本記事を参考に、切り替え方法や権限付与の必要性について正しく理解したうえで、設定を行ってみましょう。
よくある質問とその回答
GTM(Googleタグマネージャー)とは何ですか?
GTMはWebサイトで利用するツールや広告の「タグ」を管理するためのツールです。
従来はWebサイトのHTMLを直接編集して、タグの設置やカスタマイズなどを行わなければ行けませんでしたが、GTMを導入することで、GTM内で簡単に管理することができます。
そのためタグ管理にかかるコストや工数を削減できるなど、様々なメリットがあります。詳しくは「GTM(Googleタグマネージャー)とは?使い方や活用目的を解説」をご覧ください。
GTMの導入がはじめてです。導入支援を依頼できますか?
GTMの運用を自社で行いたい、もしくは導入支援を依頼したいという方のために、弊社では事業課題に応じた支援内容を提案しております。
提供サービス例
- 導入支援・設計見直し
- 運用体制構築
- メンバーのトレーニング
提供サービスの詳細は「タグマネジメントの支援内容」をご覧ください。
GTM(Googleタグマネージャー)はどの企業も導入すべきツールですか?
基本的にはどの企業も導入すべきだと言えます。GTMを利用するデメリットは特になく、早いうちから利用を開始した方が、受けられる恩恵が大きいからです。
しかし「今すぐ導入しなければいけない」というわけではありません。次に何かのタグを設置したりカスタマイズしたりする際に、一緒にGTMの設定も行うのがおすすめです。
詳細は「GTMは全ての企業にとって導入すべきツールなのか?」をご覧ください。
GTMの運用について、プロの無料相談・無料診断を受けてみませんか?
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