Webマーケティングとは?種類や基礎知識・始め方【初心者向け】

この記事でわかること

  • Webマーケティングの具体例や代表的な施策
  • Webマーケティングを行うべきかどうか
  • 成果を出すためのWebマーケティングの始め方

「Webマーケティング」という言葉にはさまざまな解釈がありますが、弊社では「Web上でユーザーとのコミュニケーションを行うマーケティング活動」のことであると定義しています。Web上で何らかの活動をしているユーザーに対して適切なコミュニケーションを取ることで、認知拡大や新規顧客の獲得・リピーター創出などを見込むことができます。

現代ではあらゆるコト・モノに関して、Webを活用して情報収集を行うユーザーが増えているので、オンライン上でサービスを提供している企業だけでなく、実店舗を運営している企業にとってもWebマーケティングの重要性は増してきていると言えます。

しかし本記事をご覧の方の中には、「自社でもWebマーケティングを取り入れるべきだろうか」「Webマーケティングでは具体的にどのようなことをするのだろうか」といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

弊社ではこのような企業に向けて「まずは小さくできることから試してみてはいかがでしょうか」とご提案しています。Webマーケティングは低コストで始められるため、まずは小規模で取り組んでみて、成果が出たら徐々に予算や施策の規模を広げていくのがおすすめです。

そこで本記事ではまず、Webマーケティングとはどのようなものなのか、具体的に何を行うのかを解説します。その後、企業がWebマーケティングを始めるために必要なステップを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

デジタルマーケティングにお困りではないですか?

  • デジタルマーケティングを推進したいが社内に詳しい人がいない
  • 事業成長戦略が行き詰まっている。デジタル化を推進してマーケティングを加速させたい
  • 様々な代理店に依頼していて、全体の戦略を描くことができず個別最適になっている

現在、上記のようなお困りごとがありましたら、ぜひとも私たちTHE MOLTSへご相談ください。デジタルマーケティングに精通したプロフェッショナルが、御社に最適なプランをご提案させていただきます。

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Webマーケティングとは?改めて定義や内容を確認

「Webマーケティング」という言葉を、話の流れでなんとなく使っているという方もいるかもしれません。本記事の内容をより深く理解するためにも、改めて定義を確認しましょう。

冒頭でもお伝えした通り、Webマーケティングとは「Web上でユーザーとコミュニケーションを行うマーケティング活動」のことだと考えています。

例えば、「SNSでユーザーに興味を持たれる投稿を行い、拡散を狙う」「SEO対策を行って記事を検索エンジンに上位表示させ、検索ユーザーをWebサイトに呼び込みメルマガに登録してもらう」「メルマガでユーザーとコミュニケーションを取り購買へ繋げる」「アプリで既存顧客とコミュニケーションを取り、関係構築を行う」といったことも、Webマーケティングに含まれると言えます。

このようにWeb上で行われるあらゆるマーケティング活動のことを指しますが、主に以下のような手法がよく用いられています(詳細は後述します)。

Webマーケティングの手法
  • Webサイト(SEO対策)
  • Web広告
  • メール
  • SNS
  • Web接客
  • ウェビナー

現代は、個人のスマホ所持率が増加し続けており、誰でも気軽にWeb検索やSNSでの情報収集ができます。Webを活用して自分の悩みや興味のあるコト・モノ・サービスを調べるユーザーも多いので、そういったユーザーと適切にコミュニケーションを取ることが重要になってきています。

Webマーケティングは、ECサイトなどオンライン上でサービスを提供している企業が行うものと考えられることもありますが、飲食店のような実店舗のみの企業であっても有効な場面は多いのです。

デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い

Webマーケティングと似た言葉に「デジタルマーケティング」がありますが、弊社では以下のような定義でこれらの言葉を使い分けています。

マーケティング

市場やターゲットを動かすこと

デジタルマーケティング

データの取得・活用ができるマーケティングのこと(オンラインかオフラインかに限らない)

Webマーケティング

デジタルマーケティングのうち、Web上の施策に絞ったもの

Webマーケティング

例えば、Web広告やPOSレジ・IoT(モノをインターネットに接続し、情報を取得できるようにする技術)を用いた施策など、データを活用できる施策は全てデジタルマーケティングであると考えています。

▼デジタルマーケティングの施策例

施策活用例
IoTを活用した施策

実店舗に訪れたユーザーの動線や手に取った商品などの情報を、カメラで取得して分析し、それをもとに店内の商品配置などを変更する

POSレジを活用した施策

POSによって取得したユーザーの年齢や性別・来店日時などを分析し、キャンペーンの内容や日時を考える

Web広告

WebサイトやSNSなどに訪れたユーザーに対して広告を配信する

これらデジタルマーケティングのうちWeb広告は、通常WebサイトやSNS・アプリなどで行われるので、「Webマーケティングに含まれる」と考えられます。

それでは具体的に、どのような活動が「Webマーケティング」としてよく取り入れられているのかを、以下で解説します。

Webマーケティングの6つの種類

本章では、Webマーケティングとして取り組んでいる企業が多い、以下の6種類の施策について解説していきます。

6つのWebマーケティング施策
  • Webサイト(SEO対策)
  • Web広告
  • メール
  • SNS
  • Web接客
  • ウェビナー

どのような目的を達成したいのかによって、取り組むべき施策は異なります。それぞれの特徴や効果などを理解して、適切なものを取り入れましょう。

Webサイト(SEO対策)

自社のWebサイトを活用してユーザーとのコミュニケーションを取り、購買やメルマガ登録などといったアクションや、心理状態の変化を促す施策です。

検索エンジンからの集客を目的に、SEO対策を同時に行うことも多いです。

SEO対策とは、検索エンジンで上位表示されるための施策のことを指します。ユーザーが知りたい情報を検索した際に、検索エンジンの上位に自社のWebサイトを表示させることができれば、そこから大きな集客が見込める可能性があります。

▼Webサイト(SEO対策)によって新規獲得に繋がるイメージ

SEO集客のイメージ

例えば弊社MOLTSの「GA4(Google Analytics4)とは|UAとの違い、導入方法を図解で解説」の記事だと、1か月間で約4,400人が検索エンジン経由で流入しています。

ある記事のGoogle Search Consoleのパフォーマンス数値
※引用:Google Search Consoleより

このように検索エンジンから自社のWebサイトへ集客することができれば、設定しているキーワードや戦略にもよりますが、事業成果に大きく貢献する可能性があるのです。

▼SEO対策で期待できる効果

検索流入が増える

検索エンジンからの集客が見込める

継続的な集客が見込める

検索するユーザーがいる限り(上位表示されている限り)継続的に集客が見込める

広告費を削減できる

十分な流入数のあるコンテンツがあれば、広告費をかけずに集客ができる

SEO対策についてより詳しく知りたい場合は、下記記事を併せてご覧ください。

Web広告

Web広告とは、名前の通りWeb上で配信する広告です。一般的なテレビやラジオのCM・チラシなどと異なり、配信人数・クリック率・コンバージョン率(顧客獲得率)などのデータを計測できます

▼Web広告によって新規獲得に繋がるイメージ(Googleに表示されるリスティング広告の場合)

Web広告(リスティング広告)による集客のイメージ

少額からでも始めやすく、Webマーケティングをこれから始めるという場合にも取り組みやすいでしょう。また、データによる効果測定と改善のサイクルを繰り返すことで、成果を上げていくことが可能です。

Web広告には以下のような種類があります。

Web広告の種類
  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • アドネットワーク広告
  • リターゲティング広告
  • SNS広告
  • アフィリエイト広告
  • 記事広告
  • 動画広告

例えばリスティング広告は、ユーザーが入力した検索ワードによって表示されるため、悩みや求めている情報が明確な「顕在層」のユーザーに効果的です。反対に、SNS広告は自社の商品を知らなかったり、ニーズが顕在化していない「潜在層」のユーザーに対してアプローチすることができます。

広告ごとに商材やターゲットとの相性、配信の強みがあるため、特徴を理解して最適なWeb広告施策を講じることが重要です。

▼Web広告で期待できる効果

詳細にターゲティングできる

ユーザーの属性やWeb上の行動などのデータを基に、ターゲットに対して的確に広告を配信できる

広告費を抑えられる

ターゲティングに当てはまるユーザーに配信されるため、無駄な広告配信を減らせる

効果が出るのが早い

出稿に時間がかからず、配信直後から効果が期待できる

調整しながら運用できる

配信直後からユーザーの反応を確認し、細かく調整しながら運用できる

Web広告についてより詳しく知りたい場合は、下記記事を併せてご覧ください。

もしも現在、広告施策に対する打ち手についてお困りごとがありましたら「新たなデジタル広告の導入」を検討してみませんか。施策を実施するメリットは、以下の通りです。

  • 競合他社が少ないため、1広告あたりの単価を抑えられる
  • 新しいメニューは広告効果が高い可能性がある
  • ユーザーにとっても新鮮であるため、視認性向上が期待できる
詳細に関しては「新しいデジタル広告が出たら、私がすぐにトライする3つの理由」をお読みください。デジタル広告領域で様々な実績を出してきたコンサルタントが事業成長のきっかけとなる新しいデジタル広告について解説しています。

メール

自社の見込み顧客や既存顧客に対し、メールを活用してコミュニケーションを図るマーケティング手法です。顧客と良好な関係を構築するために用いられます。

継続的にメールを配信して、商品やサービスの情報に触れる時間を増やすことで、信頼や愛着が湧きやすくなります。また、商品やサービスへの理解も深められるため、リピーターの創出にも繋がります。

ただし、どの顧客に対しても同じ内容を一斉送信していては、高い効果は見込めません。顧客の属性やニーズに合わせたコンテンツを考え、それに合わせたメールを配信するといった方法が有効です。

例えば、定期商品のお試しセットを申し込んだ顧客に対しては、商品の使い方や活用のコツをメールにて配信することが考えられます。その後、リピートしてもらうことができたら、タイミングごとの課題や不安などを考慮して情報提供を行ったり、アップセル・クロスセルのメールを配信したりすることも良いでしょう。

初回購入者にリピート購入を促す(=F2転換を促す)ためには、以下のようなシナリオを設計し、戦略的にメールを配信することが有効です。

CRM施策のシナリオ例

何度も購入してくれている優良顧客には、優待クーポンやバースデークーポンを配信するなどして、特別感を演出することも可能です。

メールマーケティングは中期的な戦略を立て、顧客との関係性をどのように作るかを意識することが重要になります。

▼メールマーケティングで期待できる効果

低コストで始められる

Web広告のような「広告費」がかからない

効果検証がしやすい

メールの開封率・クリック率・コンバージョン率といった反応を細かく検証できる

ターゲットごとにコミュニケーションを変更しやすい

ターゲットに合わせて柔軟にコンテンツの内容や配信頻度などを調整できる

メールマーケティングについてより詳しく知りたい場合は、下記記事を併せてご覧ください。

SNS

InstagramやTwitterといったSNSを活用したマーケティング活動です。SNSで情報発信や、ユーザーとコミュニケーションなどを行うことで、ブランディング・顧客の獲得・顧客のファン化などが期待できます。

▼SNSマーケティングで期待できる効果

認知拡大できる

シェア機能をうまく活用することで、効果的に認知拡大できる

ブランディングできる

自社商品・サービスのイメージや世界観を伝えることで、「○○と言えばこの会社だ」といった形で認知してもらえる

顧客ロイヤリティを向上できる

双方向のコミュニケーションができるため、信頼関係を築きやすい

広告費を削減できる

アカウントの運用に費用はかからないため、コストをかけずに自社を宣伝できる

SNSマーケティングは、活用するSNSプラットフォームの特徴に合わせて運用を最適化することが重要です。例えば、Twitterの場合はフォロワーがリツイートした投稿がタイムラインに表示されるため、「フォロー&リツイートキャンペーン」を実施することで、情報を拡散できる可能性が高まります。

SNSマーケティングについてより詳しく知りたい場合は、下記記事を併せてご覧ください。

Web接客

Web接客とは、Webサイトを閲覧しているユーザーの状況に合わせ、Web上で接客・案内を行うことです。チャットでユーザーの疑問を解消したり、お得な情報やイベント案内などをポップアップで表示させたりします。

例えば、ユーザーの疑問を即座に解消することで、購買に繋がる確率を高めたり、ユーザーの状況に合わせたクーポンをポップアップで表示させ、購買を後押しすることが可能です。

▼Web接客で期待できる効果

顧客満足度を高められる

ユーザーの疑問に対してリアルタイムで返答できるため、顧客満足度が向上する

問い合わせ業務を効率化できる

1人のオペレーターがチャットで複数人対応したり、チャットボットで自動返信したりすることで、問い合わせにかかる業務を効率化できる

ユーザーに合わせた情報を提供できる

ユーザーに合わせたポップアップを表示させ、購買を後押しできる

Web接客に関してより詳しく知りたい場合は、下記記事をご覧ください。

ウェビナー

ウェビナーとは、オンライン上で行うセミナーのことです。主にBtoBサービスを扱っている企業が、オンライン会議ツールなどを使用してセミナーを実施し、ユーザーに価値提供をして関係構築を行います。

例えば「最新のWebマーケティングトレンドを解説」といった、見込み客が興味を持つであろう事柄についてのウェビナーを開催します。するとそのテーマに興味を持ったユーザーがメールアドレスを入力して参加申し込みをしてくれるため、顧客情報を取得することが可能です。

ウェビナーを活用した新規獲得のイメージ

▼ウェビナーで期待できる効果

集客しやすい

ユーザーはどこにいてもPCなどから視聴できるため、集客が行いやすい

新規の見込み客を獲得できる

ウェビナーに興味を持ったユーザーに参加登録してもらうことで、顧客情報を獲得できる

自社への興味関心をもってもらいやすい

顧客と直接コミュニケーションが取れるため、自社に対する良い印象や興味関心をもってもらいやすい

ウェビナーに関してより詳しく知りたい場合は、下記記事をご覧ください。

Webマーケティングの4つのメリット

Webマーケティングの定義や種類について解説しましたが、「自社でWebマーケティングに取り組むべきか」とお悩みの方もいるでしょう。そこで、Webマーケティングのメリットを紹介するので、自社が望む結果が得られるかを確認し、「自社にも取り入れるべきか」を判断する参考にしてください。

Webマーケティングには、主に以下のようなメリットがあります。

Webマーケティングの4つのメリット
  • 幅広いユーザーに情報を発信できる
  • ターゲットを絞り込める
  • 素早く実行・検証・改善できる
  • コストを抑えて集客できる

では、詳しく解説します。

幅広いユーザーに情報を発信できる

Webマーケティングでは、Webを利用するあらゆるユーザーに対して情報を発信できます。

総務省の「令和3年通信利用動向調査」によると、令和3年8月末時点の個人のスマートフォン保有率は74.3%まで増加しました。また、Webの利用状況は全年代の平均が約83%であり、13~59歳まではほぼ100%に近い割合が利用しています。

そのため、ターゲットがWebを活発に利用する年代であれば、Webマーケティングを実施することでリーチを広げることが可能です。

ターゲットを絞り込める

WebマーケティングではWeb上でデータを取得し活用できるため、マス広告のように全消費者を対象に配信するのではなく、ターゲットを絞って効果的にアプローチできます。

例えばWeb広告の場合は、ユーザーの性別や年齢・住んでいる地域・興味があること・ライフスタイルなどをもとにターゲットを設定し、それに該当するユーザーにだけ広告を配信するといったことができます。さらに、「自社の商品をWeb上で閲覧した(興味を持った)ユーザーに対して、他の媒体で広告を表示させる」といったことも可能です。

そのため費用対効果が高くなりやすく、少額でも十分な顧客獲得を見込める場合もあります。

素早く実行・検証・改善できる

一般的なチラシや新聞・雑誌などの広告の場合、印刷・配送・陳列やポスティングなどに時間がかかります。しかしWebマーケティングでは、例えば原稿さえできれば、広告出稿や記事コンテンツの公開といったように、素早い実行が可能です。

さらに施策のデータを取得できるため、効果が出なければすぐに配信を止めて、改善したものを再度配信するといったことも可能です。

データを活用して「なぜうまくいかなかったのか」「なぜ成功したのか」を分析することで、右肩上がりで売上を伸ばす企業もあります。

コストを抑えて集客できる

Webマーケティングの手法によっては、紙媒体などでのマーケティング施策に比べて、コストを抑えて集客できます。具体例を挙げて解説しましょう。

雑誌などの紙媒体で広告を出稿する場合、最低でも数十万円かかります。また前述の通り、一度配信をしたら一定期間は止められないケースが多いでしょう。

それに対して、Web広告であれば1クリック数十円から、SNSアカウントの運用であれば広告費をかけずに集客が可能です。効果が出なければ配信をストップしたり、成果に繋がることが分かればその日から予算を大幅に上げることもできます。

このように、低コストで試せるのもWeb広告のメリットです。

Webマーケティングに取り組む際の注意点

Webマーケティングには多くのメリットがあります。しかし、Webマーケティングを取り入れるかを判断するには、以下のような注意点も理解しておきましょう。

Webマーケティングに取り組む際の注意点
  • 知識やノウハウが必要
  • トレンドを把握し続ける必要がある
  • 成果が出るまでに時間がかかるケースもある

では、詳しく解説していきます。

知識やノウハウが必要

Webマーケティングは、種類によって必要な知識もノウハウも異なります。そのため、それぞれの経験や知識を持っていなければ、実施しても成果を挙げることは難しいでしょう。

例えば、SNSマーケティングではいくつものSNSプラットフォームがありますが、何を選ぶかによって効果的なアカウントの運用方法は全く異なります。また、SEO対策では分析やキーワード選定、コンテンツ制作までできなければならず、Web広告もユーザーに興味を持ってもらえるように広告文・クリエイティブ・LPなど作り込まなくてはなりません。

基本的にどの手法を取り入れたとしても、データを収集して活用することが重要ですが、どのデータを注視し、どのように改善すべきかの判断する知識も必要です。

ただし、これらはすべて内製化する場合の問題であり、外部パートナーに依頼することで知識やノウハウがなくてもWebマーケティングを取り入れることは可能です。

トレンドを把握し続ける必要がある

Webマーケティングにおけるトレンドは常に変化しています。そのため、現在のトレンドは何かを常に情報収集し、把握しておくことが大切です。

同じ手法を取り入れ続けていても、トレンドによってその効果は左右される可能性があるからです。また、今までにはない新しい手法が生まれる可能性もあります。

SNSを例に挙げると、TikTokユーザーが増えており、影響力が高まっています。また、Twitterに代わるSNSとして、「Bluesky」などの新たなプラットフォームも注目され始めています。

このように、常にWebマーケティングにおけるトレンドはどのように変化しているのか、情報は継続的に収集しなければなりません。

成果が出るまでに時間がかかるケースもある

Webマーケティングは、施策を実行しても成果が表れるまでに時間を要する場合が多くあります。

例えば、オウンドメディアで流入を増やしたいと思っても、まずは検索結果で上位を獲得しなければなりません。そのためには、リサーチや分析などでユーザーが求めている情報を把握し、記事を執筆し、より良いものにするためにリライトなどの改善を繰り返し行う必要があります。

また、SNSアカウントを運用する場合も、どんな投稿を行うか、どのようなキャンペーンならユーザーが興味を持つかなどを研究し、効果検証と改善を繰り返しながら成果を上げていきます。

そのため、半年など中期的に効果を見ていく必要があるでしょう。

Webマーケティングは「小規模からでもやってみる」ことが重要

ここまでお伝えした内容によって「自社でWebマーケティングに取り組むメリットはあるのか」が具体的になってきたのではないでしょうか。

一方で、メリットがわかったとしても、Webマーケティングの知見が社内になければ、「本当に自社でやれるのか」という思いから、なかなか取り組みを始められない場合もあるでしょう。

しかし、取り組みを始めてみなければ、Webマーケティングが成果につながるのか、自社に合っているのかも判断できません。そのため、小規模でもまずはやってみることが重要です。

例えば、

  • 少額からWeb広告を始めて、成果が出てきたら徐々に予算を増やす
  • まずは既存のWebサイトにSEO対策を施してみて、集客が見込めそうなら本格的に取り組む
  • SNSアカウントの運用を始めて、フォロワーが増えてきたらSNSキャンペーンで認知拡大を図る

といったように、少ない費用と人員で始められるものから取り入れてみて、成果が出たら徐々に予算・施策の規模を広げていくイメージです。

外部にWebマーケティングを依頼することも可能

自社にWebマーケティングに関する知見や人的リソースがない場合、外部パートナーに依頼するのも1つの手です。

社内で学びながら少しずつ実行していくというやり方もありますが、成果を得るには時間がかかり、手順や効果検証・分析方法も間違えてしまう可能性もあるでしょう。

外部パートナーに依頼する場合、Webマーケティングを代行してもらうこともできますが、将来的に社内で全て取り組めるよう、内製化をサポート(コンサルティング)してもらうことも可能です。

まずは自社のみで小さく始めてみて、必要に応じて検討するのもよいでしょう。

Webマーケティングの始め方

「Webマーケティングに取り組んでみたい」と感じた方に向け、ここから進め方を解説していきます。

具体的な手順は以下の通りです。

Webマーケティングの進め方
  1. Webマーケティングを行う目的を明確にする
  2. ターゲットを明確にする
  3. 施策を検討する
  4. KPIを設定する
  5. データ収集環境を整える
  6. 施策を実行し、改善を繰り返す

記事前半でもお伝えしたように、Webマーケティングは幅が広く、手法や施策も多岐に渡ります。そのため、「何となく○○をやってみよう」という施策ありきの考え方では、投資対効果を高めることは非常に困難です。

上記のステップで目標や戦略をしっかり定めて、「やるべきこと」と「やらないこと」を明確にする必要があります。

それでは順番に見ていきましょう。

1.Webマーケティングを行う目的を明確にする

まずはWebマーケティングを行う目的と、KGIを明確にしましょう。

目的(例)KGI(例)
認知の拡大ブランド認知度20%向上
新規顧客の獲得Webからの新規顧客の獲得数1,000人
既存顧客からの売上最大化LTV30%向上

目的に応じて、戦略や取り組むべき施策などが異なるため、まずはWebマーケティングによって何を成し遂げたいのかをしっかり考える必要があります。

2.ターゲットを明確にする

次はターゲットを明確にして、どのようなユーザーにどんなコミュニケーションを取るべきなのかを考えていきます。

ターゲットを明確にするには、大きく分けて以下のステップを踏みましょう。

ターゲットを明確にする手順
  1. 顧客セグメントを作成し、ターゲットを選定する
  2. ペルソナを作成する
  3. カスタマージャーニーを設計する

2-1.顧客セグメントを作成し、ターゲットを選定する

顧客セグメントとは、自社サービスの顧客になり得るユーザーを、属性ごとに細分化したグループのことを指します。

想定される全ての顧客に対してアプローチをするのでは、興味を持ってもらいにくく効果的なコミュニケーションが取れません。日本の人口約1億2,000万人に対して施策を行うのと、特定のユーザーのみが関心を示す施策を行うのでは、後者の方が反応が得られやすいことは容易に想像できるでしょう。

そこで、まずは想定されるターゲットを属性ごとに細分化して、その中からどの属性のユーザーに絞るのかを決定する必要があります。

▼セグメンテーションのイメージ

セグメンテーションのイメージ

▼ターゲティングのイメージ

ターゲティングのイメージ

セグメントとターゲティングの詳細は以下の記事をご覧ください。

2-2.ペルソナを作成する

ターゲットを選定したら、次はペルソナを作成します。

ペルソナとは、「自社のターゲットに当てはまる人物像を具体的なイメージに落とし込んだもの」です。

先入観などではなく実際のデータを活用し、1人のコアとなる人物を作り上げます

ターゲットとペルソナの違い

顧客情報や営業担当から得た情報、ユーザーインタビューなどからデータを収集し、それを基に人物像を作成しましょう。

▼ペルソナの例

ペルソナの例

ペルソナの作成方法は、下記記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

2-3.カスタマージャーニーマップを作成する

ペルソナを構築したら、次にユーザーの段階に合わせたコミュニケーション方法を検討するために、「カスタマージャーニーマップ」を作成します。

先ほど作成したペルソナを、ユーザーの心理状態ごとに区切り、それに合わせてユーザーが取るであろう行動やタッチポイント(自社が取れる接点)などを、当てはめていきましょう。

▼カスタマージャーニーマップの例

美容液の通販事業におけるカスタマージャーニーマップの例

カスタマージャーニーマップは、横軸をユーザーの購買心理の段階に設定します。縦軸は各段階におけるユーザーの「心理状態」「行動」「タッチポイント」「刺激(コミュニケーション内容)」などを設定します。

ただし、このカスタマージャーニーマップに書くべき項目は事業内容やペルソナの内容によって異なります。縦軸と横軸に何を設定するのかを慎重に考えてみましょう。

「A.I.S.A.S(アイサス)」のようなフレームワークを参考にするのもおすすめです。

A.I.S.A.S(アイサス)
A.I.S.A.S(アイサス)
  1. Attention(認知)
  2. Interest(関心)
  3. Search(比較検討)
  4. Action(購買)
  5. Share(情報共有)

カスタマージャーニーマップについてより詳しく知りたい場合は、下記記事を併せてご覧ください。

3.施策を検討する

ターゲットが明確になったら、最初に作成したKPIツリーやカスタマージャーニーマップを基に、施策を検討します。

例えば、ターゲットユーザーが検索エンジンで情報収集やサービスの比較検討をすることが分かったのであれば、SEO対策やリスティング広告(検索エンジンに出稿できるWeb広告)などを検討するのもよいでしょう。

記事前半で紹介した以下のような施策を参考に、どのように接点を取りコミュニケーションを行うべきかを考えてみてください。

Webマーケティングの施策
  • Webサイト(SEO対策)
  • Web広告
  • メール
  • SNS
  • Web接客
  • ウェビナー

どのマーケティング施策を行うかを考える際には、コミュニケーション設計をすることがおすすめです。正しくコミュニケーション設計をすると、適切なマーケティング戦略を展開できるようになります。

詳細はこちらの記事で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

4.KPIを設定する

施策を決定したら、施策ごとのKPIツリーを作成しましょう。

KPIツリーとは、最終目標のKGIを達成するために必要な要素となるKPIを、ロジックツリー(樹形図)で可視化したものです。

例えば「Instagramを活用してアプリのダウンロード数を増やす」という目標を立てて施策を行うとします。

▼ユーザーを集客してからアプリをダウンロードしてもらうまでの流れ

ユーザーを集客してからアプリをダウンロードしてもらうまでの流れ

この場合のKGIは「アプリダウンロード数」になり、そのKGIは以下のような計算式で成り立ちます。

「フィードの閲覧数」×「プロフィールのタップ率」×「アプリリンクのタップ率」×「ダウンロードボタンのタップ率」=「アプリのダウンロード数」

これを樹形図の形にして、分かりやすく可視化したものがKPIツリーです。

KPIツリーの例

このようにKPIツリーを作成することで、施策を細分化したうえで数字で考えられるようになるため、「何をすればうまくいくのか」「何が失敗だったのか」「どこを改善すればよいのか」を明確にすることができます。

KPIツリーの作成方法に関しては、下記記事を併せてご覧ください。

5.データ収集環境を整える

記事前半でもお伝えした通り、Webマーケティングはデータを収集し、分析と改善を繰り返すことで成果を最大化させることができます。

そのためステップ4で設定したKPIをどのように測定するのかを考え、データを収集できる環境を整えておきましょう。Webマーケティングのデータ収集では、Googleアナリティクスを活用することが多いです。

  • データを計測したいページへタグを埋め込む
  • 計測したいユーザーのアクション(閲覧・クリック・ダウンロードなど)を決め、その情報を取得するための設定を行う

といった作業が必要になります。

Googleアナリティクスについては以下の記事も参考にしてみてください。

6.施策を実行し、改善を繰り返す

ここまでで目標を設定し、ターゲットを明確にしたうえでコミュニケーション方法を考え、その結果を取得できるようになりました。

ここまでの準備ができたら、いよいよ施策を実行します。

KPIツリーや取得したデータを参照しながら、「どの数値をどれくらい改善すればよいのか」「そのためにはどんなアクションが必要なのか」を考え、PDCAを回していきましょう。

詳細は以下の記事を参考にしてみてください。

Webマーケティングをより学びたい場合におすすめの書籍2選

Webマーケティングについて解説してきましたが、より実践的に学びたいという方のためにおすすめの書籍を紹介します。

ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング

著者は、株式会社北の達人コーポレーション代表取締役社長や、株式会社エフエム・ノースウェーブ取締役会長を務める現役マーケッターの木下勝寿氏です。

本書では、ユーザーのペルソナやインサイトを分析してコミュニケーション設計を行う「ファンダメンタルズマーケティング」を中心として、Webマーケティングの解説をしています。

また、数値分析できるデータから、顧客とのコミュニケーション設計をし、データを駆使して利益を計算しながら運用していくテクニカルマーケティングについても解説しています。

「やりたいこと」からパッと引ける Googleアナリティクス分析・改善のすべてがわかる本

著者はウェブアナリストとしてマイクロソフト・ウェブマネー・リクルート・サイバーエージェント・アマゾンジャパンなどの名だたる企業に勤務し、フリーに転身した小川卓氏です。

本書は著者がコンサルタントの立場で見てきた多くの事例の中から、特に参考になるものを取り上げ解説しています。そして、どのようなサイトでどのような気付きが得られ、それをどのようなサイト改善に繋げるかというように、Googleアナリティクスを利用して深堀りします。

やりたいことや、知りたいことから引ける目的別インデックスがついているため、分析・改善の際にあると便利な一冊です。

まとめ|Webマーケティングで集客を増やし、売上を向上しよう

本記事では、Webマーケティングの定義・事例・進め方などを解説しました。

Webマーケティングには、主に以下の6種類があります。

6つのWebマーケティング施策
  • Webサイト(SEO対策)
  • Web広告
  • メール
  • SNS
  • Web接客
  • ウェビナー

このように、Webマーケティングは基本的にユーザーとWeb上で行うコミュニケーションを

指します。

Webマーケティングの進め方は以下の通りです。

Webマーケティングの進め方
  1. Webマーケティングを行う目的を明確にする
  2. ターゲットを明確にする
  3. 施策を検討する
  4. KPIを設定する
  5. データ収集環境を整える
  6. 施策を実行し、改善を繰り返す

目的に合わせた戦略を立ててKPIツリーを作成し、効果検証と改善を繰り返すことで少しずつ成果を挙げていきましょう。成果が出るまでに時間がかかるケースが多いため、中期的な計画を立てることが大切です。

Webマーケティングは、まず「小規模から」でもやってみることが大切です。本記事を参考にして、ぜひ取り組んでみてください。

Webマーケティングに関するよくある質問

Webマーケティングとはどのようなマーケティング活動ですか?

弊社では「Web上でユーザーとのコミュニケーションを行うマーケティング活動」のことであると定義しています。Web上で何らかの活動をしているユーザーに対して適切なコミュニケーションを取ることで、認知拡大や新規顧客の獲得・リピーター創出などを見込むことができます。

例えば以下のような取り組みも、Webマーケティングに含まれます。

  • 「SNSでユーザーに興味を持たれる投稿を行い、拡散を狙う」
  • 「SEO対策を行って記事を検索エンジンに上位表示させ、検索ユーザーをWebサイトに呼び込みメルマガに登録してもらう」
  • 「メルマガでユーザーとコミュニケーションを取り購買へ繋げる」
  • 「アプリで既存顧客とコミュニケーションを取り、関係構築を行う」

詳しくは、「Webマーケティングとは?改めて定義や内容を確認」をご覧ください。よく取り入れられる、代表的なWebマーケティングの種類などについても解説しています。

Webマーケティングを始めたいです。どのようにすれば良いでしょうか?

Webマーケティングは低コストで始めることができるため、まずは小さく試してみて、その後成果を得られそうであれば徐々に規模を大きくしていくことがおすすめです。

ただし、「とりあえずWeb広告をやってみた」といった施策ありきの進め方では、失敗してしまうことも多いです。

そのため以下のような手順で、戦略やユーザーとのコミュニケーション方法をしっかり考えたうえで、取り組んでみてください。

  1. Webマーケティングを行う目的を明確にする
  2. ターゲットを明確にして、コミュニケーション設計を行う
  3. 設計をもとに施策を検討する
  4. KPIを設定する
  5. データ収集環境を整える
  6. 施策を実行し、改善を繰り返す

詳しくは「Webマーケティングの始め方」をご覧ください。

デジタルマーケティングにお困りではないですか?

  • デジタルマーケティングを推進したいが社内に詳しい人がいない
  • 事業成長戦略が行き詰まっている。デジタル化を推進してマーケティングを加速させたい
  • 様々な代理店に依頼していて、全体の戦略を描くことができず個別最適になっている

現在、上記のようなお困りごとがありましたら、ぜひとも私たちMOLTSへご相談ください。デジタルマーケティングに精通したプロフェッショナルが、御社に最適なプランをご提案させていただきます。まずはサービスページをご覧ください。

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